KING OF PRISM SUPER LIVEにいったら、本物のプリズムショーがあった
こんにちは。
さて、2020/02/02に行われたKING OF PRISM SUPER LIVE -SHYNY SEVEN STARS-、その午前の部を見に行ってきましたのでその感想です。
自分はあまり声優のライブに行く方ではないのですが、それでも驚かされたのはMCほぼなし音楽ぶっ通しの超ストロングスタイル、そして作品世界への没入を第一に考えた演出の数々。文脈を知らない人からしたら狂気としか思えないライブだったと思います、まじで。
しかし、そのおかげで舞台の上では確かにプリズムショーが実現されていた。
自分たちは、間違いなくあの時プリズムショーを見ていたのだと断言できます。
ステージの上に立つ7人。
オープニングは勿論SSSOP-Shiny Seven Stars-です。
スクリーンには画面を縦7つに分割されたエーデルローズ生たちの立ち絵が。
この光景は忘れもしない。Shiny Seven Stars OPの演出の再現です。
映画館で初めてあのOPを見たときのワクワクを思い出させてくれます。
続いてそれぞれのショーが始まります。
トップバッターに名乗りを上げたのは涼野ユウ(内田雄馬)によるShiny Stellar。
これは現在公開中のKING OF PRISM ALL STARSプリズムショーベストテンでも同じですね。やはり彼には一番乗りという言葉がよく似合う。
「俺の名は?」「ゼウスー――!」というコーレスでこちらのテンションも上がる。
ユウのプリズムショーを一番象徴する必殺技「プリズムライブ」を内田さんが完璧に再現してくれました。もちろん、ギター・ドラム・キーボード全部。
ここで会場のボルテージは一気に高まりました。
やっぱりプリズムライブはすごい。その熱気をこの身で体感することができる白熱のライブでした。
続いて電飾が水色一色に。鷹梁ミナト(五十嵐雅)によるSailing!です。
彼のショーは灯台の光が作り出す幻想的な背景が特徴です。それを示すかのように、水色一色の会場の中を照らすように広く動くレーザー。
そんな中登場するのがカツオです。
巨大カツオにのって踊るミナトのショーは、エレクトリカルパレードに例える人もいるぐらい象徴的なものですが、ど真ん中で再現してきました。
五十嵐さんがカツオのトロッコに乗って会場を練り歩きました。
今後もこのトロッコは頻繁に登場するのですが、のっけからスペシャル仕様の三連結。
トロッコという舞台装置のインパクトを印象づけるショーでした。そのトップバッターがみんなのまさしなのも良かったです。
続いては西園寺レオ(永塚拓馬)。
ここは永塚さんのダンスが冴え渡りました。
もともとのレオくんのショーの可愛らしいダンスを見事に完全再現。一つ一つの仕草が本当に可愛らしく、そこに居たのは確かにレオくんでした。
西園寺レオのカラーであるピングで彩られる会場ですが、曲の中盤からは黄色が目立ちます。
これは彼のジャンプ「マイトランスフォーム ライオンハートフラワー」で会場を花で一杯にしたときの色ですね。
可愛いものに囲まれていたいというレオくんらしい舞台で見てるこっちもハッピーに。
レオの後に登場したのは太刀花ユキノジョウ(斉藤壮馬)による百花繚乱。
彼のショーを思い出す青一色で統一された舞台から、和装のダンサーたちが踊るという和一色の構成。
斎藤さんも凛とした姿勢で、優雅な振り付けをこなし、まさに太刀花ユキノジョウらしい堂々とした舞台。
その中に、突然赤が指したりして彼の情熱の部分を表現。
極めつけには、太刀花ユキノジョウの最大奥義「プリズムジャンプ十八番 連獅子回転演舞」の映像に合わせて火の手が上がります。
静と動を巧みに使い分けた太刀花ユキノジョウという人間そのものを表現したかのようなショーに打ちのめされました。
そのまま息をつくまもなく香賀美タイガ(畠中祐)によるFly in the sky。
こちらは先程登場したトロッコにねぶたの山車のデザインがほどこされ、会場を渡り歩きます。ねぶたの山車が間に合った。
誰も乗っていないトロッコをありがたがる集団なんて我々ぐらいではないかと思いますが、それでも気分は祭。
畠中さんもタイガのアグレッシブなダンスを高い精度で再現しており、そこはまさに、香賀美タイガが生み出す祭りの舞台。
ストリートの申し子にふさわしい情熱的なステージになりました。
エーデルローズ組の最後(シンくんは別枠)を飾ったのは十王院カケル(八代拓)。
ベストテンでも思いましたが、彼のショーの圧倒的スケール感はここ一番のタイミングにふさわしいですね。
コールの英字が燃える炎の中スクリーンに映し出され、八代さんもジュリセンをもってアゲアゲです。
さて、十王院カケルといえば札。
かつてプリズムシャワー上映で配布され、エリートに金をバラまく楽しさを教えてくれた十王院札が帰ってきました。
ものすごい勢いでバラまかれる十王院札。後ろの方の席には手渡しで配られるほどの入れ食い大セールとなりました。
やっぱりカケルのショーはこちらの景気を無限に良くしてくれます。
なお天然ガスは出ませんでしたが、そもそもここは幕張なので天然ガスは埋まってません。マダガスカル公演が来る日を待ちましょう。
続いてはシュワルツローズのターン。
JOKER KISSという曲、本編中では手書き作画だったこともあり振り付けが謎だったのと、本編ではコールを入れられる部分に何かしらセリフがかぶっていたため、ポテンシャルが眠っていた曲でした。
その秘めたポテンシャルが今回全面に引き出されました。
JOKER KISS! ONE MORE KISS!というコールがすごく楽しく、アイドルソングとして実に完成度が高い。
まさにアイドルに徹する高田馬場ジョージという人にふさわしい楽曲でした。
小林さんのパフォーマンス力はすごく、素敵なダンスとぶれることのない歌声で客席を魅了していきました。
とにかく、完成されたアイドル像が舞台上で実現されており、素晴らしいショーでした。
続いては、大和アレクサンダー(武内駿輔)によるSurvival dAnce。
この曲も声を出すのが最高に楽しい楽曲です。
武内さんの力強いボーカルがこちらを引っ張ってくれて、全力で盛り上がれるパフォーマンスになっていました。
バトルこそありませんでしたが、会場は派手なレーザーで装飾され、まさにTOKYO TONIGHT FULL BURST(練習した)
本当にシュワルツローズという集団は、客にエンターテイメントを提供するプロフェッショナルとして完成されています。
そのハイレベルさを感じさせるステージの最後を飾るのは如月ルヰ(蒼井翔太)。
なんと、蒼井さんが完全にルヰくんそのままの格好をして登場しました。彼にしか許されない芸当です。
冒頭のsnowを意識した自撮りシーンも完全再現。男性声優のライブなのに可愛いを摂取しすぎている。
思い出のテーマパークを再現した、傘を用いたダンスで客席を魅了しました。
そして前半の最後を飾るのは一条シン(寺島惇太)によるダイスキリフレイン。
アレク→ルヰ→シンという順番は、本来のPRISM1そのままの順番なんですよね。つまり、これはあの日行われるだったPRISM1の再現だとも言えます。
シンくんらしい、会場を巻き込んでいくパフォーマンス。コールも振り付けも手拍子もまだ公開されて一ヶ月しか経ってないはずなのに完璧です。皆どこで練習したのでしょう。
ダイスキを過剰摂取するこの曲、バルーンの中から大量のハートが飛び出しました。帽子を使ったパフォーマンスも含め、まさに一条シンのショーでした。
締めはベストテン同様、サビでセプテントリオン7人が全員登場。会場は一気に湧き上がり、テンションは最高潮に。
前半の締めにふさわしい多幸感に満ちたパフォーマンスとなりました。
ここで主要キャラクターたちのショーが一周して一旦小休止かな?と思ったら、背後にトラチとドラチが登場。
DJブースの前でノリノリで音楽をかけています。
そして始まるのは太刀花ユキノジョウ(斉藤壮馬)の歌うTRFの楽曲、寒い夜だから。
TV放送版EDとして採用されたtrfの楽曲をメドレー形式で歌っていく、DJ PARTYが幕を開けました。
(KOOさん現地にいたのだから、彼にDJをやってほしかった。欲を言えば)
前に歌った人が、そのままトロッコにのって会場を一周するという豪華なメドレー。
らっせーらーの掛け声をかけるmasqueradeや掛け声で盛り上がれるovernight sensationなど、会場を巻き込んで盛り上がるtrfの楽曲のパワーを実感させる印象的な一幕となりました。
シンのBRAND NEW TOMORROWを終え「次が最後の曲です」と告げられます。
このエンディング楽曲シリーズの最後を飾ったのは、劇場版エンディングテーマ366 DIARYでした。
劇場でどんな壮絶なものを見ても、この曲を聞けばなんか幸せになれるこちらの曲。やはりライブでもそのパワーは健在でした。
前半部がプリズムショーを振り返るパートだったとしたら、後半はアニメーションとしてのキンプリを振り返るパート。
劇場に、テレビ放送にと追いかけたあの日々を思い出させる素敵なひとときとなりました。
そして暗くなる会場。
これで終わるはずはないとアンコールの声が響きます。
キンプラでは客席のアンコールに答えた演出もあるように、このアニメとアンコールは切っても切れない関係にあります。
しかし、この間があまりに長くて(着替えてたから?)客席にもどよめきが広がってきたころ、暗くなった会場に文字が映し出されます。
「何より素晴らしい」「何より嬉しいのは」「皆の愛があふれているから」
もちろん、エリートなら何回も見たであろうあのシーンの再現です。
突然告げられたエンディングに「この気持ちをこのままにしておくなんてできない」ので、歌で彼らを呼ぶわけです。
とはいえ幕張メッセという巨大な会場で、指揮者もなくアカペラで合唱させるのは狂気の沙汰としか思えませんが、そこは狂信者の集まりなので、見事に合わせました。本当にこのコンテンツは客への要求と信頼が厚すぎる。
そして、満を持してセプテントリオンの7人が登場。ナナイロノチカイを歌い上げます。
これもまた、このライブのテーマの一つである「アニメの再現」なのでしょう。
PRISM1の会場に居た人たちになって、セプテントリオンの皆を奮い立たせる。まさにスタァとファンが一体となって共に歩んでいく、物語の登場人物になる体験なのです。
そんな感動的な演出を挟んだところで、本当のフィナーレ。
もちろんフィナーレは「ドラマチックLOVE」です。やっぱりこの曲がないと締まらない。
キャストの方たちの挨拶を交えながら、盛大なフィナーレが訪れます。
(この時、第1部では「いままでありがとう!」というお葬式ムードだったのですが、第2部では「22世紀まで待てるか!」と復活祭ムードだった模様。本当に良かった)
そうして、LOVEグラフィティとともに、これまでの歩みを振り返るエンディングが流れ、このライブは終了しました。コンテンツが終わったみたいなムードを出されていますが、許す気はないです。
ともあれ、総じて素晴らしいライブだったと思います。
個人的に一番嬉しかったのは、楽曲のみに集中させていた構成です。
KING OF PRISMという作品は、特に音楽の力が強い作品です。そのキャラクターたちが背負ってきた物語や葛藤、そして闘いがすべてプリズムショーという瞬間の中に集約されています。
つまり、プリズムショーの中にすべてのメッセージが込められています。だからこそ、余計な言葉を交えず、劇中の楽曲を劇中のまま、演出も可能な限り再現して持ってきたのは、この作品のあり方にふさわしいと感じました。
時には大げさなレベルの小道具を駆使して、客席にキャラクターが背負ってきた想いを全力で訴える。その泥臭いまでのメッセージ性がこのシリーズの魅力です。
その歌い続けるという思いに客席が応え、最後にはスタァとファンが共に歩んでいくまでの道のりを提示する。まさにShiny Seven Starsというアニメ作品を振り返るためのライブだったと言えるでしょう。
改めて、キンプリでなければ味わえないものを思い出させてくれる最高のライブでした。
こんなものを思い出してしまった以上、あとは監督に責任をとってもらうだけですね。
やりきったとは言わせないぞ♡